富山地方裁判所 昭和51年(わ)31号 判決
本店所在地
富山県礪波市栄町六番二七号
商号
米原商事株式会社
代表者住居
富山県礪波市栄町六番二七号
代表者氏名
米原扶佳
本籍
富山県礪波市出町七七番地
住居
富山県礪波市栄町六番二七号
会社役員
米原扶佳
昭和六年七月一日生
被告事件名
法人税法違反
主文
被告人米原商事株式会社を罰金七〇〇万円に、被告人米原扶佳を懲役三月に、各処する
被告人米原扶佳に対し、本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する
訴訟費用は、被告人両名の負担とする
理由
(罪となるべき事実)
被告人米原商事株式会社は、富山県礪波市栄町六番二七号に本店を置き、レッカー車の賃貸、鳶工事等の事業を営んでいるもの、被告人米原扶佳は右被告人会社の代表取締役としてその業務全般を統括するものであるが、被告人米原扶佳は、右被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て
第一 昭和四七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における右被告人会社の実際所得金額が六六、九二二、七七三円、これに対する法人税額は二三、九四五、六〇〇円であるのに、売上の一部を公表帳簿に記帳せず架空名義の簿外普通預金で取立てるなどの不正手段によりその所得の一部を秘匿したうえ、同四八年二月二八日、前同市本町八番一〇号所在礪波税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二四、四七五、三五三円、法人税額八、三五二、五〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、右被告人会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一五、五九三、一〇〇円を免れ、
第二 同四八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における右被告人会社の実際所得金額が八九、二六八、三五六円、これに対する法人税額は三二、〇二一、四〇〇円であるのに、売上の一部を公表帳簿に記帳せず、架空名義の簿外普通預金で取立て、また架空経費を公表帳簿に記帳するなどの不正手段によりその所得の一部を秘匿したうえ、同四九年二月二八日、前記礪波税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三六、五四九、四二二円、法人税額一二、六五二、八〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、右被告人会社の正規の法人税額との差額一九、三六八、六〇〇円を免れ、
もって偽りその他不正の行為により法人税を免れたものである。
(証拠の標目)
判示第一、第二の各事実につき
一 被告人米原扶佳の当公判廷における供述ならびに検察官に対する各供述調書および被告人に対する収税官吏大蔵事務官の質問てん末書
一 四柳一彦、大田成博、前田正視、松井哲男、山元肇、田井正樹、各作成の査察事件調査事績報告書
一 土屋昭、村井信之、江田義治、和田猛、森田和男各作成の上申書
一 森田和男、構宣昭、江田義治、護摩堂雄二、石崎秀次、大野正三、吉岡重雄、松本仁、大井巌、森岡智之、野崎昌弘、村中国男、福野英昭、川辺邦明、林信吉、荒井一夫、三国藤康、村中正三、大江選吉、谷川登、川口孝夫、中島司郎、遠藤茂雄、北島正孝、端保幸雄、米原蕃、端保隆春各作成の供述書
一 野崎昌弘の検察官に対する供述調書および同人に対する収税官吏大蔵事務官の質問てん末書
一 江田義治、森田和男に対する収税官吏大蔵事務官の各質問てん末書
一 押収してある大学ノート四冊(昭和五一年押第三一号の26)
判示第一の事実につき
一 収税官吏作成の脱税額計算書(昭和四七年)
一 礪波税務署長作成の証明書(昭和四七年)
一 家田典昭作成の上申書
一 押収してある精算高表綴一綴(昭和四七年)(前同押号の3)
判示第二の事実につき
一 収税官吏作成の脱税額計算書(昭和四八年)
一 礪波税務署長作成の証明書(昭和四八年)
一 谷川登、山上泰各作成の上申書
一 押収してある精算高表綴二綴(昭和四八年)(前同押号1、2)、傭車費計上給与支払明細書一綴(昭和四八年)(前同押号の8)
(法令の適用)
罰条
判示第一、第二の各事実につき
被告人米原商事株式会社関係
いずれも法人税法一六四条一項、一五九条
被告人米原扶佳関係
いずれも同法一五九条一項(懲役刑選択)
併合罪加重
被告人米原商事株式会社関係
刑法四五条前段、四八条
被告人米原扶佳関係
同法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予(被告人米原扶佳関係)
同法二五条一項
訴訟費用負担
刑訴法一八一条一項本文
(検察官 杉浦肇 出席)
(裁判官 近藤道夫)